産後のひどい肩こりは「睡眠不足」からも?知っておきたい負のスパイラル

こんにちは。 郡山市の美翔接骨院の院長、川上です。

突然ですが、産後ママの皆さん。
今朝はどうやって目を覚ましましたか?

「目覚まし時計の音でスッキリ起きました」という方は、おそらくかなり少ないのではないでしょうか。

気がついたら、自分の布団ではなくフローリングとの境目に転がっていた。
子どものかかとが顔に降ってきて、びっくりして起きた。
夜中に何度も授乳や夜泣きで起こされて、朝起きた瞬間からすでに体が重い。
寝たはずなのに、まったく寝た気がしない。

そんなカオスな朝を迎えた方も多いかもしれません。

産後の睡眠は、本当に思い通りになりません。
夜泣き、授乳、おむつ替え、寝かしつけ、上の子の対応、赤ちゃんの呼吸や物音が気になって眠りが浅くなる……。
毎日が細切れ睡眠になりやすく、「朝までまとまって眠る」ということ自体が、かなり難しくなります。

そして最近、産後ママさんのお悩みとしてよく聞くのが、「寝不足なだけじゃなくて、とにかく肩や背中がバキバキにつらい」という声です。

授乳や抱っこの姿勢で肩がつらい。
首の後ろがずっと重い。
肩甲骨の内側が張っている。
朝起きた時点で、すでに肩が固まっている。
寝ても疲れが取れない。
こういった状態です。

産後の肩こりと睡眠不足は、別々の問題に見えて、かなり深く関係しています。

  • 睡眠不足になると、肩こりが起こりやすくなる。
  • 肩こりが強くなると、今度は睡眠の質が落ちやすくなる。

このように、お互いがお互いを悪化させてしまう「負のスパイラル」が起こる場合があります。

今日は産後の睡眠不足と肩こりがどうつながっているのか、そして、まとまって寝ることが難しい中でも、少しでも夜の負担を減らすためにできる「睡眠環境の足し算」についてお話しします。

睡眠不足が肩こりにつながりやすい理由

まず、なぜ睡眠不足になると肩こりを感じやすくなるのでしょうか。

ポイントは主に2つあります。

  1. 自律神経の乱れ
  2. 回復時間の不足

自律神経の乱れと血流の低下

睡眠が不足すると、体は休むモードに入りにくくなります。
ここで関係するのが「自律神経」です。
自律神経には、大きく分けて以下の2つがあります。

  • 交感神経: 体を活動モードにする神経(緊張しているとき、頑張っているとき、危険に備えているとき)
  • 副交感神経: 体を休ませるモードにする神経(リラックス、消化、回復、睡眠など)

本来であれば、夜になると副交感神経が働きやすくなり、体は少しずつ休む準備に入ります。
しかし、産後はそう簡単にはいきません。

赤ちゃんが泣いたら起きる。
授乳時間が気になる。
物音に敏感になる。
「また起きるかも」と思って、脳が休まりきらない。
この状態が続くと、体は眠っているようでも、どこか緊張が抜けにくくなります。

睡眠不足や睡眠の乱れは、自律神経の働きに影響し、交感神経系の活動と関係することが報告されています。
睡眠が足りない状態では、体が休息モードに入りにくくなるため、筋肉の緊張や血流の変化にも影響する可能性があります。

交感神経が優位になりやすい状態では、肩や首まわりの筋肉も緊張しやすくなります。
イメージとしては、常に肩に力が入っている状態です。
本当は布団に入っているのに、体の中はまだ育児モード。
いつでも起きられるように、首や肩が準備しているような状態です。
これでは、肩の力が抜けません。

そして、肩や首まわりの筋肉が緊張したままだと、血流も滞りやすくなります。
筋肉は、血液から酸素や栄養を受け取っています。
血流が悪くなると、筋肉が回復しにくくなり、重だるさや張り感につながる場合があります。

特に産後は、抱っこや授乳ですでに肩や首を酷使しています。
そこに睡眠不足による緊張が加わると、「ただの肩こり」ではなく、「抜けない肩こり」「朝から重い肩こり」「寝ても変わらない肩こり」として感じやすくなります。

回復時間が足りない

もうひとつ大きいのが、回復時間の不足です。
人間の体は、寝ている間に回復しています。

日中に使った筋肉、抱っこで疲れた腕、授乳姿勢で固まった背中、赤ちゃんを支えるために緊張した首、家事や育児で使い続けた腰……
こうした体の疲れは、本来であれば睡眠中に少しずつ回復していきます。
睡眠中には成長ホルモンの分泌や自律神経の調整など、体を修復するための働きが行われます。

しかし、産後は睡眠が細切れになりやすいです。
1時間寝たら授乳、また少し寝たら夜泣き、やっと寝たと思ったら上の子が起きる、朝方になってようやく寝られそうになったら、もう一日が始まる……。

こうなると、体が深く休む時間が足りません。
つまり、前日の疲れがリセットされないまま、次の日の抱っこや授乳が始まってしまうのです。
これが毎日続くと、肩や首まわりの筋肉は回復する暇がありません。
昨日の疲れに今日の疲れが重なり、今日の疲れに明日の疲れが重なってしまいます。
その積み重ねが、慢性的な肩こり感につながる場合があります。

産後の睡眠不足や疲労は多くの方が経験するもので、育児中の細切れ睡眠は身体的な疲労感や日中の対応力にも影響するとされています。
産後の睡眠不足は「気合いでどうにかするもの」ではなく、体への負担として見てあげることが大切です。

反対に、肩こりが睡眠の質を落とすことも

問題は一方通行ではありません。肩こりが強くなると、今度は睡眠の質も落ちやすくなります。
ここが負のスパイラルです。

寝不足で肩がこる ➔ 肩がこるから眠りが浅くなる ➔ 眠りが浅いから、さらに肩が回復しない。

この流れが続いてしまうのです。

寝返りが打てないストレス

睡眠中、私たちは無意識に寝返りを打っています。
寝返りには、同じ場所に負担がかかり続けるのを防いだり、体の圧を逃がしたりする役割があります。

ところが、肩や背中の筋肉がガチガチに固まっていると、寝返りを打つたびに首や肩まわりに違和感が出ることがあります。
すると、脳が無意識に反応します。
完全に目が覚めるほどではなくても眠りが浅くなったり、体勢を変えるたびに首や肩が気になったり、朝起きたときに肩まわりがさらに固まっていたり……
といったことが起こりやすくなります。

睡眠と痛みには双方向の関係があるとされており、睡眠の質が落ちると痛みや不快感を感じやすくなり、反対に痛みや不快感が睡眠を妨げることもあります。
肩こりそのものを「痛み」と同じに扱いすぎる必要はありませんが、首や肩の強い違和感が眠りを浅くすることは十分考えられます。

特に産後は、赤ちゃんの気配でも起きやすい時期です。
もともと浅くなりやすい眠りに、肩や首の違和感が加わると、睡眠の質はさらに下がりやすくなります。

枕が合わなくなったように感じる理由

産後に意外と多いのが、「妊娠前まで使っていた枕が、急に合わなくなった気がする」という感覚です。
これは、枕そのものが急に悪くなったというより、体の姿勢が変わっている可能性があります。

  • 妊娠中: お腹が大きくなることで反り腰になりやすい
  • 出産後: 授乳や抱っこで背中が丸まりやすい(巻き肩やストレートネックに近い姿勢)

この状態で横になると、首の後ろや肩まわりに不自然な隙間や緊張が出やすくなります。
枕に頭を乗せているのに「首が落ち着かない」「肩が抜けない」「横になってもリラックスできない」という感覚が出ることがあります。

つまり、産後の枕の違和感は、枕だけの問題ではなく、骨盤や背中、首、肩の姿勢変化とも関係している場合があります。
首元が緊張したまま横になると、脳も体も「休んでいいよ」というモードに入りくくなります。
短い睡眠時間しか取れない産後だからこそ、寝る姿勢の小さな違和感はできるだけ減らしてあげたいところです。

今日からできる「睡眠環境の足し算」

ここで大事なのは、「まとまった時間を寝よう」と思わないことです。
それができたら、みんな苦労していません。

産後の育児中は、物理的にまとまって眠れない時期があります。
目指すべきは、睡眠時間を一気に増やすことではなく、今ある短い睡眠の質を少しだけ「足し算」することです。
今日からできる小さな工夫で大丈夫です。

① 枕の下にタオルを1枚足す

仰向けに寝たとき、首の後ろに大きな隙間があると、首や肩が緊張しやすくなります。
そこで、バスタオルやフェイスタオルを軽く丸めて、首のカーブに沿うように置いてみてください。

ポイントは、高くしすぎないことです。
首を持ち上げるというより、首の後ろの隙間をやさしく埋めるイメージです。
枕を高くするのではなく首を支える、肩を押し上げるのではなく肩の力が抜けやすい位置を探す、この感覚です。

タオルの厚みは人によって合う・合わないがあります。
は薄めから試してください。
少しでも首が苦しい、あごが上がる、呼吸しづらいと感じる場合は、無理に続けないようにしましょう。

② 寝る直前に温かい水分をひと口足す

もちろん、飲みすぎると夜間のトイレにつながることもあるので、ほんのひと口、ふた口で大丈夫です。
カフェインの入っていない白湯や、温かい麦茶などを少し飲む。
これだけでも、寝る前のスイッチを切り替えるきっかけになります。

産後は頭の中がずっと動いています。
だからこそ、寝る前に温かいものを少し飲む時間を作ることで、「ここから少し休む」という合図を体に出してあげるのです。
これも、睡眠のための足し算です。
ただし、授乳中の方や体調に不安がある方は、ご自身の体に合う量で行ってください。

③ 布団の中で肩甲骨をストンと落とする

産後ママさんは、無意識に肩がすくんでいることが本当に多いです。
布団に入ったら、一度だけでいいので、肩の位置を確認してみてください。

肩が耳に近づいていませんか
首の後ろに力が入っていませんか。
気づいたら、息をハァーッと吐きながら、肩を足元の方へストンと落とするイメージを持ってみてください。

肩甲骨が背中に沈んでいくような感覚です。

ここで無理にストレッチしなくて大丈夫です。
強く伸ばそうとすると、逆に力が入ります。
大切なのは、「肩の力が入っていたことに気づく」「吐く息で少しだけゆるめる」この2つです。
たった数秒でも、寝る直前にこれを入れるだけで、首や肩まわりの緊張に気づきやすくなります。

肩こりを我慢し続けないために

産後の肩こりは、ただの姿勢だけでなく、睡眠不足、抱っこ、授乳、ストレス、体力の消耗など、さまざまな要因が重なっている場合があります。
なので、「肩を揉めばいい」「ストレッチだけすればいい」と単純に考えすぎない方がいいです。

大切なのは、肩こりと睡眠不足がつながっている可能性を知ること。
そして、いきなり大きく変えようとせず、できる範囲で小さな足し算をすることです。

枕の下にタオルを1枚足す。
寝る前に温かい水分をひと口足す。
布団の中で肩甲骨をストンと落とす。

これくらいなら、育児の中でも取り入れやすいと思います。

まとめ

産後の肩こりと睡眠不足は、どちらか一方だけを根性で解決しようとしてもうまくいかない場合があります。

  • 睡眠不足によって自律神経が乱れ、肩や首まわりの筋肉が緊張しやすくなる。
  • 肩こりが強くなることで、寝返りや枕の違和感が出て、眠りが浅くなる。
  • 眠りが浅くなることで、さらに肩の疲れが抜けにくくなる。

このような負のスパイラルが起こることがあります。
まずは小さなことから始めてみましょう。

完璧にやる必要はありません。
産後のママさんは、毎日すでに十分頑張っています。
これ以上「我慢」を増やすのではなく、少しでも体が休まりやすい環境を足してあげてください。

もし、毎日の授乳や抱っこによる肩・首まわりの強い違和感が続く場合や、自力でのストレッチやケアに限界を感じる場合は、無理をせず、お近くの医療機関や産後ケアに関わる専門家へ相談することも検討してください。

特に、しびれ、強い痛み、頭痛、めまい、腕に力が入りにくいなどの症状がある場合は、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。

あとがき

私自身が実践しているリセットダイエットですが、今朝の体重は66.5kgでした。

リセットダイエット経過

有酸素運動やトレーニングを継続する中で強く感じるのは、睡眠の質が落ちると、翌日の身体の動きや代謝の感覚がかなり鈍るということです。
同じ運動をしていても、よく眠れた日と、眠りが浅かった日では、体の反応(脚の重さ、呼吸の浅さ、集中力など)が違います。

私も仕事やトレーニングで体を使うので、寝る前のストレッチや首まわりのリラックスは大切にしています。
でも、産後ママさんの育児は、24時間体制のハードワークです。
自分のタイミングで寝られない、起きられない。
本当に大変だと思います。

だからこそ、夜ベッドに入った瞬間の一呼吸を、少しだけ大切にしてみてください。
肩をストンと落とする、奥歯の力を抜く、首の後ろを少し支える。
それだけでも、今日一日頑張った体に対する小さな労わりになります。
焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。

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投稿者プロフィール

川上真治
川上真治
美翔接骨院 院長

国家資格『柔道整復師』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングプラクティショナー』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングトレーナー』
日本ストレッチング協会認定『ストレッチングトレーナー』
日本コアコンディショニング協会認定『ひめトレインストラクター』
内面美容医学財団公認『ファスティングカウンセラー』
内面美容医学財団公認『プロフェッショナルインストラクター』