産後の肩こり・肩甲骨がつらいママへ|抱っこや授乳で背中に負担がかかる理由
こんにちは。郡山市の美翔接骨院、院長の川上です。
当院で産後の骨盤ケアを受けているママとお話ししていると、よく耳にするのが、
「産後の骨盤ケアで腰は調子いけど、実は最近は腰より肩甲骨のあたりがつらくて……」
というお声です。
産後というと、腰痛や股関節痛、恥骨の違和感など、どうしても骨盤まわりの不調に目が向きやすいですよね。
ですが、毎日の育児を振り返ってみると、下半身だけでなく上半身もかなりハードに使っています。
しかも「肩甲骨が激しく痛む」というよりは、
- なんとなくズーンと重い感じがする
- 背中がガチガチに張っている
- 誰かに肩甲骨の間をギューッと押してほしい
といった、何とも表現しにくいつらさを抱えている方が少なくありません。
育児の姿勢は写真のように丸くなることが多いです。

今回は多くの産後ママが感じている「肩甲骨周辺のつらさ」について、抱っこや授乳といった日常動作や身体の仕組みから分かりやすく解説していきます。
「痛い」わけじゃないけれど…
肩甲骨周辺のつらさは、必ずしも「強い痛み」としてあらわれるわけではありません。
実際には、以下のような違和感として気づく方が多くいらっしゃいます。
- 肩甲骨の内側がズーンと重く感じる
- 肩甲骨の間がガチガチに固まっている感じがする
- ぐーっと背中を伸ばしたくなる
- 肩をぐるぐる回したくなる
- 誰かに肩甲骨の間をぎゅっと押してほしくなる
- 夕方から夜になると背中がしんどくなる
- 抱っこや授乳のあとに特につらく感じる
いわゆる「肩こり」と呼ばれる首や肩の張りとは少し違い、肩甲骨の内側や背中側に独特の重さや張りを感じるのが特徴です。
では、なぜ産後の生活では、この部分につらさが起きやすくなるのでしょうか?
一番の理由は「腕を身体の前で使い続ける生活」
産後の一日を思い返してみてください。実は、かなりの時間を「腕を身体の前に出した状態」で過ごしていることに気づくはずです。
- 赤ちゃんを抱っこする
- 授乳やミルクをあげる
- オムツを替える・沐浴をする
- ベビーカーを押す
- 合間にスマートフォンを見る
一つひとつは別々のお世話ですが、すべて「腕を前に出している」という共通点があります。 さらに、赤ちゃんを安全に支えるため、無意識のうちに腕や肩へ力が入っています。
ここで知っておいてほしいのは、「姿勢が悪いからつらくなるんだ」とご自身を責める必要はないということです。
赤ちゃんを見つめるときに少し下を向くのも、授乳中に背中が少し丸くなるのも、育児においてはごく自然な姿勢です。
大切なのは、「良い姿勢を保たなきゃ」と無理をすることではありません。「同じ姿勢・同じ腕の使い方が一日の中で何度も繰り返されている」という生活の構造そのものに目を向けることです。
姿勢を固定してがんばり続けるよりも、ときどき腕を下ろしたり、姿勢を変えたりしていく視点を持ってみましょう。

腕を前に出しているとき、肩甲骨まわりでは何が起きている?
ここからは、少し身体の仕組みについてお話しします。
まず知っておきたいのは、肩甲骨は本来、背中で柔軟に動くものだということです。 肩甲骨は骨盤のようにがっちり固定されているわけではなく、腕の動きに合わせて位置や向きを変えています。
腕を前に出せば、それに伴って左右の肩甲骨は外側(背中の外方向)へ広がります。抱っこや授乳のときも、肩甲骨は外側へ動いた状態になっています。
肩甲骨の間にある筋肉の働き
肩甲骨が外側へ開くと、肩甲骨と背骨の間にある筋肉(菱形筋など)はぐーっと引き伸ばされます。
しかし、育児中はただ腕を前に出しているだけではありません。腕の先には大切な赤ちゃんがいて、その体重を支えています。
そのため、背中の筋肉は「伸ばされた状態のまま、身体を支えるためにずっと働き続けている」ことになります。筋肉が休まるヒマがない状態ですね。

同じ状態が続くことで「重さ」や「張り」に
動かしていれば筋肉は「縮む・伸びる」を繰り返し、血液もスムーズに流れます。 ですが、抱っこや授乳などで同じ姿勢が長く続くと、肩甲骨を動かす機会が減り、筋肉の緊張も抜けにくくなります。
こうした「同じ姿勢の継続」「筋肉の緊張」「動きの少なさ」が重なることで、肩甲骨周辺に重い・張る・ガチガチする・動かしたくなるといった不快感が生じるのです。
「血流が悪いから」と一言で片付けるのではなく、育児中の身体の使い方や姿勢の時間が複雑に関係していると考えてみてください。
「最近つらくなってきた」と感じるなら、赤ちゃんの成長も関係しています
「産後すぐは平気だったのに、最近になって急に肩甲骨まわりがつらくなってきた……」 という場合、赤ちゃんの成長が大きく関係している可能性があります。
生まれたばかりの頃と比べ、赤ちゃんは毎日すくすくと大きくなっています。 しかし、毎日抱っこしているママ自身は「以前より重いものを毎日何時間も抱えている」という感覚が薄くなりがちです。
たとえ抱っこしている時間が同じだとしても、赤ちゃんの体重が増えれば、ママの上半身にかかる負荷は確実に増しています。
さらに成長すると、赤ちゃんは抱っこ中に身体を反らせたり、手を伸ばしたりと動きも活発になります。その動きに合わせて支えるため、ママの首・肩・背中への負担も変化していきます。
「最近急につらくなってきたな」と感じたら、それは赤ちゃんが順調に育っている証拠であり、身体にかかる負荷が一段階変わったサインかもしれません。
肩甲骨だけをほぐせば解決する、とは限りません
「肩甲骨まわりがつらいから、肩甲骨のストレッチやマッサージをすればいいのかな?」 と思われるかもしれません。
もちろん、軽く動かして気持ちよさを感じるのであれば、それ自体はとても良いことです。 しかし、抱っこや授乳のときに使っているのは、肩甲骨周辺の筋肉だけではありません。
首・肩・胸まわり・腕・背中など、上半身全体の筋肉が連動して働いています。 また、抱っこ紐のフィッティングや授乳クッションの高さ、左右どちらで抱っこすることが多いかといった「毎日の育児動作」も大きく影響しています。
そのため、つらい部分だけに囚われる必要はありません。
育児の中で完璧な姿勢を保ち続けるのは不可能です。 それよりも、
- 抱っこが終わったら、一度だらーんと腕を下ろしてみる
- 授乳のあとに、肩を軽く後ろに回してみる
- ずっと同じ体勢にならないよう、ときどき身体の向きを変えてみる
といった、日常の中で無理なくできる「小さなリセット」を取り入れてみてくださいね。
まとめ
産後は骨盤や腰まわりに意識が向きがちですが、毎日の抱っこや授乳などによって、上半身にも確実に負担が積み重なっています。
育児では腕を前に出す時間がどうしても長くなり、赤ちゃんを支えるために肩甲骨周辺の筋肉ががんばり続けています。赤ちゃんの成長とともに負担が増していくのも、とても自然なことです。
「姿勢を良くしなきゃ」と無理に力む必要はありません。 まずは「今日も自分の上半身はよくがんばっているな」と気づき、同じ姿勢が長く続かないよう、ときどき腕を下ろして身体を労わってあげてください。
※なお、肩甲骨周辺に激しい痛みが走る場合や、腕や手にしびれ・脱力感がある場合は、セルフケアだけで済ませず、早めに医療機関や専門家へご相談くださいね。
次回予告:自宅でできる!肩甲骨まわりの簡単セルフケア
「理由はよく分かったけれど、家では具体的に何をすればいいの?」 と思われたママへ。
次回のブログでは、抱っこや授乳の合間にサクッとできる「肩甲骨まわりの簡単セルフケア・ストレッチ」をご紹介します!
忙しい育児の合間でも短時間で取り入れられる方法をお伝えしますので、背中や肩甲骨の重さが気になっている方は、ぜひ次回の記事もチェックしてみてくださいね。
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投稿者プロフィール

- 美翔接骨院 院長
国家資格『柔道整復師』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングプラクティショナー』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングトレーナー』
日本ストレッチング協会認定『ストレッチングトレーナー』
日本コアコンディショニング協会認定『ひめトレインストラクター』
内面美容医学財団公認『ファスティングカウンセラー』
内面美容医学財団公認『プロフェッショナルインストラクター』





