産後の沐浴で腰痛になるのはなぜ?腰の負担を減らす工夫

こんにちは。

郡山市の美翔接骨院、院長の川上です。

今日は晴れていますが、外に出てみると意外と涼しくて、だいぶ秋らしくなってきたなと感じます。
少し前まで暑さの話ばかりしていた気がしますが、9月も半ばを過ぎると季節が変わってきたのを感じますね。

さて、赤ちゃんの沐浴をしているママから、

「沐浴が終わったあとに腰を伸ばすのがつらいです」
「洗っているときだけではなく、着替えが終わる頃には腰が重くなっています」

というお話を聞くことがあります。

以前の記事では、沐浴中の腰への負担を減らすために「ベビーバスを置く高さ」についてお話ししました。ベビーバスを低い位置に置けば、その分だけ身体を深くかがめる必要があります。そのため、安全に使用できる範囲でベビーバスの高さを見直すことは大切です。

ただ、「ベビーバスの高さを変えても腰がつらい」という方もいます。

その理由を考えるときに見てほしいのが、「赤ちゃんを洗っている時間だけではない」ということです。

実際の沐浴では、準備をして、赤ちゃんを抱き上げて、ベビーバスへ下ろし、洗ったあとにもう一度抱き上げます。
さらに身体を拭いて、保湿やオムツ、着替えまで続きます。

今回は沐浴の準備から着替えまでの一連の流れを見ながら、腰に負担がかかりやすい場面と、育児の中で取り入れやすい工夫についてお話しします。

沐浴は「洗っている時間」だけではありません

「沐浴で腰がつらい」と聞くと、ベビーバスの前で赤ちゃんを洗っている姿勢を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、実際にはその前後にも腰をかがめる場面がたくさんあります。

沐浴の流れを簡単に振り返ってみると、

  1. タオルや着替えなどを準備する
  2. 赤ちゃんを抱き上げる
  3. ベビーバスへゆっくり下ろす
  4. 身体をかがめながら赤ちゃんを洗う
  5. 濡れた赤ちゃんを抱き上げる
  6. タオルを用意した場所へ移動する
  7. 身体を拭き、保湿やオムツ、着替えをする

というように、いくつもの動作が続きます。

この中には、前かがみになったり、低い位置へ身体を下ろしたり、赤ちゃんを抱えたまま姿勢を保ったりする場面があります。

一つひとつの動作はそれほど長くなくても、準備から着替えまで続けて考えると、腰をかがめている時間は意外と長くなります。「ベビーバスの前にいる時間だけ」を見ていては気づきにくい部分です。

沐浴は洗っているときだけでなく、いろんな動作が腰痛の原因になりやすいです

産後の沐浴で腰に負担がかかりやすい理由

では、沐浴ではなぜ腰につらさを感じやすいのでしょうか。

① 前かがみになるときは腰だけが動いているわけではありません

床にあるものを取ったり、低い位置へ手を伸ばしたりするとき、身体は腰だけを曲げているわけではありません。股関節や膝なども一緒に動きながら、身体の位置を下げています。

ところが沐浴では、赤ちゃんを安全に支えながら動かなければなりません。ベビーバスの周りが狭かったり、足元に物が置いてあったりすると、十分に身体を近づけられないこともあります。

その状態で手を伸ばそうとすると、身体の使い方によっては腰を深く曲げた姿勢になり、腰まわりに負担を感じやすくなることがあります。

「股関節を正しく使わなければいけない」と難しく考える必要はありません。足元に少し余裕をつくり、膝や股関節も使いながら身体全体で高さを調整できるようにしておくことが大切です。

② 沐浴をする前にも育児は続いています

もう一つ忘れてはいけないのが、沐浴だけで一日の育児が始まるわけではないことです。

朝から授乳をしたり、抱っこをしたり、オムツを替えたりして過ごしている方が多いと思います。その中では、前かがみになったり、赤ちゃんを抱えたりする動作を何度も繰り返しています。そして夕方になってから沐浴をする家庭もあります。

そのため、「沐浴を数分しただけなのに腰がつらい」と感じても、沐浴だけに理由を求める必要はありません。一日の中で繰り返してきた育児動作も含めて、身体への負担を考えてみてください。

③ ベビーバスの高さも確認してみましょう

ベビーバスの位置が低くなるほど、赤ちゃんに手を届かせるために身体を深くかがめる必要があります。その姿勢を続ければ、腰まわりの筋肉にも力が入り続けることがあります。

大切なのは、低い場所では身体を深くかがめる必要があり、その姿勢を長く続けるほど腰につらさを感じる場合があるという点です。

ベビーバスの高さについては、こちらの記事でも詳しくお話ししています。

> 関連記事:沐浴中の腰痛を防ぐための浴槽の高さの工夫

なお、高さを出すために不安定な台へベビーバスを置くことは避け、製品の使用方法や安全性を確認したうえで設置してください。

沐浴はベビーバスの高さを変えて腰痛予防

赤ちゃんを抱き上げる・下ろすときは「身体との距離」にも目を向けてみましょう

沐浴中に腰への負担を感じやすいのは、洗っているときだけではありません。赤ちゃんをベビーバスへ下ろすときや、沐浴後に抱き上げるときも身体をかがめます。

このときに確認してほしいのが、自分の身体と赤ちゃんとの距離です。

身体から離れた位置にあるものを腕を伸ばして支えると、身体に近い位置で支える場合と比べて、腰まわりにかかる力は大きくなりやすくなります。

特に沐浴後は赤ちゃんの身体が濡れているため、普段の抱っこ以上に慎重になりますよね。その状態で遠くから腕だけを伸ばして抱き上げようとすると、腰をかがめた姿勢のまま赤ちゃんを支えることになります。

無理のない範囲でベビーバスへ身体を近づけ、足元を安定させてから抱き上げるようにしてみてください。

もちろん、赤ちゃんの安全が最優先です。足元が滑りやすい場所で無理に踏み込んだり、不安定な姿勢から持ち上げたりしないようにしましょう。

沐浴後の赤ちゃんを持ち上げるときも工夫をして腰痛予防

沐浴が終わってからも前かがみは続いています

赤ちゃんをベビーバスから出すと、「これで腰を伸ばせる」と思うかもしれません。

しかし、そのあとには身体を拭いたり、保湿をしたり、オムツをつけたり、服を着せたりする時間があります。これらを床の上で行っている場合、再び身体を低い位置へ下ろすことになります。

ここも、沐浴後に腰がつらくなる方には確認してほしいところです。「沐浴中の姿勢を変えよう」と考えるだけではなく、沐浴後のお世話をどこで行っているかも一度振り返ってみてください。

ただし、単純に「高い場所なら安全」というわけではありません。ベッドやソファなど高さのある場所では、赤ちゃんの転落に十分注意する必要があります。ハイローチェアなどの育児用品についても、着替えやお世話に使用できるかどうかは製品ごとの使用方法を確認してください。

高さだけを優先せず、赤ちゃんを安全にお世話でき、なおかつママが無理に身体をかがめ続けなくてもよい場所を選ぶことが大切です。

沐浴後のお世話でも腰痛に注意

沐浴の前に3つだけ確認してみてください

腰がつらいからといって、毎回「姿勢を正しくしなければ」と考えながら沐浴をするのは大変です。それよりも、沐浴を始める前に環境や流れを少し整えておくほうが取り入れやすいと思います。

1.必要なものを先に用意しておきましょう

バスタオル、オムツ、着替え、保湿に使うものなどは、できるだけ沐浴を始める前に準備しておきます。途中で必要なものを取りに行ったり、床に置いたものを何度も取ったりする回数を減らせます。

「どこに置けば腰に負担がかからないか」だけではなく、赤ちゃんから目や手を離さず、安全に使える位置かどうかも含めて考えてみてください。

2.足元に少し余裕をつくっておきましょう

前かがみになるときに、腰だけを動かそうとする必要はありません。足幅を少し広げたり、膝や股関節を軽く曲げたりすると、身体全体で高さを調整しやすくなります。

ただし、浴室や洗面所は床が濡れて滑りやすくなることがあります。動きやすさを優先するあまり足元が不安定にならないよう、周囲の安全も確認しておきましょう。

3.家族に任せられるところは分けても構いません

家族と一緒に育児をしている場合は、沐浴のすべてを一人で担当する必要はありません。一人が赤ちゃんを洗い、もう一人がタオルを準備して受け取るなど、家庭に合わせて役割を分ける方法もあります。

着替えやオムツまで交代できれば、一人が前かがみになる時間を続けずに済むこともあります。毎回できなくても構いません。家族がいる日だけ役割を分けるなど、できる範囲で取り入れてみてください。

まとめ

沐浴のあとに腰がつらくなると、「洗っているときの姿勢が悪かったのかな」と考えてしまう方もいると思います。

しかし、実際の沐浴では、準備をして赤ちゃんを抱き上げ、ベビーバスへ下ろし、洗って、もう一度抱き上げます。そのあとも身体を拭いたり、オムツや着替えをしたりと、お世話は続きます。

つまり、腰への負担を考えるときは、洗っている数分間だけではなく、その前後も含めて見ることが大切です。

  • ベビーバスの高さを確認する
  • 必要なものを先に準備しておく
  • 赤ちゃんを抱き上げる前に身体を少し近づける

これらを行うだけでも、無理な姿勢を続ける場面を減らしやすくなります。

「正しい姿勢でやらなければ」と考えるより、

  • 「ここにタオルを置いておいたほうが楽かな」
  • 「着替えをする場所を変えたほうが、何度もかがまずに済むかな」

と、沐浴の流れそのものを一度見直してみてください。毎日のことだからこそ、無理なく続けられるやり方を見つけることが大切です。

なお、腰の強い痛みが続いている場合や、腰から脚にかけてしびれがある、脚に力が入りにくいなどの症状がある場合は、無理にセルフケアを続けず、医療機関へ相談しましょう。

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投稿者プロフィール

川上真治
川上真治
美翔接骨院 院長

国家資格『柔道整復師』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングプラクティショナー』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングトレーナー』
日本ストレッチング協会認定『ストレッチングトレーナー』
日本コアコンディショニング協会認定『ひめトレインストラクター』
内面美容医学財団公認『ファスティングカウンセラー』
内面美容医学財団公認『プロフェッショナルインストラクター』