産後のインナーマッスルはいつから鍛えていい?焦らず進める身体づくりのタイミング
こんにちは。
郡山市の美翔接骨院、院長の川上です。
まずは、当院の夏季休業についてのお知らせです。
美翔接骨院は、8月11日(火・祝)から16日(日)までお休みをいただいております。
お盆期間は帰省したり、お子さんと出かけたり、ご家族が集まったりと、普段とは生活リズムが大きく変わりやすい時期です。
赤ちゃんやお子さんとの移動は、抱っこや荷物も増えて想像以上に身体を使います。
「せっかくのお休みだから」と予定を詰め込みすぎず、ママ自身の身体を休ませる時間も忘れずに作ってくださいね。
さて、前回の記事では、「なぜ産後にインナーマッスルが大切なのか?」についてお話ししました。
骨盤まわりだけを見るのではなく、その身体でこれから毎日抱っこや授乳、家事や育育児を続けていくためには、身体を内側から「支える力」にも目を向けることが大切、という内容でした。
すると、次に多くいただくのがこのような疑問です。
「大切なのは分かったけれど、具体的にいつから鍛えればいいの?」
- 「産後1ヶ月健診が終わったらすぐ始めていい?」
- 「やっぱり3ヶ月くらいは待った方がいい?」
- 「もう産後6ヶ月を過ぎちゃったけれど、今からじゃ遅い?」
インターネットやSNSを開くと、さまざまな時期や数字が出てくるため、かえって情報に振り回されて分からなくなってしまうこともあるかと思います。
今回、最初にお伝えしておきたい一番大切な結論は、
「産後○ヶ月になったから、今日から全員トレーニング開始!」と、カレンダーの数字だけで一律に決められるものではない
ということです。
重要なのは、カレンダーの日付を見ること以上に、「今の自分の身体がどの回復段階にあるのか」をしっかり確認することです。
今回は、産後のインナーマッスルと「始める適切なタイミング」について、順を追って考えていきましょう。
「産後〇ヶ月だからOK」と一括りにできない理由
同じ「産後2ヶ月」を迎えたママであっても、身体の内側の回復状態は一人ひとり全く異なります。
出産までの経過も違えば、出産そのもののダメージの残り方も違います。 経腟分娩だった方もいれば、帝王切開だった方もいらっしゃいます。
出産後の傷の痛みや出血の状態、睡眠不足の度合い、授乳の頻度、周囲のサポート体制などの育児環境も人それぞれです。
そのため、「〇ヶ月経過した=全員の身体が同じ状態まで回復している」 とは限りません。
これは、安全に産後の身体づくりを進めていくうえで、非常に重要な視点です。
「ママ友がもう運動を始めているから」 「SNSで『産後2ヶ月からこの筋トレをやりました』と見たから」
といった理由だけで、焦って同じ運動を始める必要はまったくありません。
むしろ今、一番確認してほしいのは次のような「自分自身の現在地」です。
- 今、お腹や腰、股関節などに痛みはないかな?
- 普段の立ち座りや抱っこで、強い違和感や不快感はないかな?
- 毎日の睡眠不足で、身体が限界まで疲れ切っていないかな?
- 運動を始めても無理がない体力と余裕があるかな?
独立した大前提として、産後の運動再開については、産後1ヶ月健診などで身体の回復状態を確認してもらい、医師から日常生活や運動について許可や説明を受けたうえで進めることが大切です。
特に痛みや出血、体調の違和感など気になる変化がある場合は、「もう〇ヶ月経ったから大丈夫なはず」と自己判断せず、まずは必ず医療機関へ確認・ご相談ください。
「鍛える=激しい運動」ではありません
ここでもう一つ、多くの方が陥りやすい大きな誤解があります。
「インナーマッスルを鍛えましょう」と言われると、多くの方が次のような運動を想像されます。
- 仰向けになってぐっと上体を起こす腹筋運動
- うつ伏せで肘をついて耐えるプランク
- 何十回も繰り返す深いスクワット
- 汗をたくさんかくようなハードな筋トレ
しかし、産後の身体づくりにおいては、いきなり強い負荷をかけて鍛えるところからスタートする必要はありません。
私は産後のステップを大きく3つの段階に分けて考えると、焦らず安全に進めやすいと思っています。
① まずは「回復する」
出産直後の時期は、何よりも身体を休ませて傷や体力を回復させることが最優先です。
とはいえ、退院直後から赤ちゃんのお世話が本格的に始まるため、「ゆっくり休んでください」と言われても現実的にはなかなか難しいですよね。
その大変な日々に加えて、 「筋トレもしなきゃ」「早く体型を戻さなきゃ」 と、自分に新しい宿題やプレッシャーを追加する必要はありません。
この時期は、「しっかり休むこと自体が、大切な身体づくりの第一歩」と考えてみてください。
② 次に「感覚を取り戻す」
身体の痛みが落ち着き、生活に少し慣れてきたら、次に意識したいのが「筋肉を使う感覚」です。
いきなり強い負荷をかけるのではなく、
- 椅子に座って、ゆっくり呼吸してみる
- 息をふぅーっと長く吐くときのお腹の動きを感じてみる
- 立っているとき、自分の姿勢がどうなっているか意識してみる
こうした日常の小さな意識からで十分です。
ハードに「鍛える」というよりは、「妊娠・出産を経た自分の身体と、もう一度丁寧に向き合い直す時間」と考えてみてください。
③ そこから少しずつ「負荷を加える」
呼吸や身体の感覚が掴めてきたら、回復状態を確認しながら、少しずつ動きやエクササイズへと進んでいきます。
ここで初めて、世間一般で言われる「鍛える」という段階に入っていきます。
ただし、ここでも妊娠前と同じ強度に戻す必要はありません。
できる範囲の動きを一つずつ増やしていきます。
「回復する → 感じる → 少しずつ動かす」
この順番を飛ばさずにステップを踏んでいくことが、結果として一番安全で着実な身体づくりにつながります。
「産後6ヶ月を過ぎたらもう遅い?」と焦っているママへ
産後の身体についてインターネットで調べていると、次のような言葉を目にすることがあります。
- 「産後6ヶ月までが骨盤や体型の勝負!」
- 「この時期を逃すともう戻らない」
こうした情報を見ると、「えっ、本当?」と焦ってしまいますよね。
毎日のお世話や授乳、夜泣き対応に追われているうちに、あっという間に半年が経ってしまった。
自分の身体のケアなんて何もできなかった。
「もう6ヶ月過ぎちゃったから、遅いのかな……」 そう思って落ち込んでしまうお母さんも少なくありません。
ですが、6ヶ月を過ぎた瞬間にインナーマッスルが鍛えられなくなるような事実は一切ありません。
人間の筋肉や身体の仕組みにおいて、「産後6ヶ月を1日でも過ぎたら手遅れ」になるような明確な境界線は存在しません。
産後半年であっても、1年であっても、あるいはそれ以上年数が経過していても、大切なのは過去を振り返って後悔することではありません。
「もっと早く始めればよかった」と過去を見るのではなく、「今の自分の身体から何ができるか」を考えていくこと。
ここが何より大切です。
産後半年間、自分の身体のケアに手が回らなかったとしても、それは何もしていなかった半年ではありません。
目の前の赤ちゃんを一生懸命に育ててきた、かけがえのない半年間です。
毎日抱っこして、授乳して、寝かしつけて、家事をして。
それだけでもお母さんの身体はずっと頑張って働いてきました。
だから「出遅れた」と焦って、突然ハードな運動を始める必要はありません。
今日が、ご自身の身体に目を向けられた最初の日であるなら、そこをこれからのスタート地点にすれば良いのです。私はそれくらいの温かい考え方で十分だと思っています。
帝王切開や気になる症状がある場合は、特に慎重に
帝王切開で出産されたお母さんの場合、腹部の表面だけでなく深い部分の組織まで手術を受けています。
皮膚の表面の傷口だけを見て「もう塞がったから大丈夫そう」と自己判断するのではなく、内部の組織がしっかり回復するまでの時間を十分に考慮する必要があります。
また、分娩方法(経腟分娩・帝王切開)にかかわらず、
- 腹部や腰、股関節などに強い痛みがある
- 悪露(出血)が続いている、または運動後に増えた
- 手術の傷口周辺に痛みや違和感がある
- 身体を動かしたときに無理な突っ張り感や強い違和感がある
こうした症状が少しでも見られる場合は、運動やトレーニングを優先させる時期ではありません。
一旦運動をストップし、必要に応じて医療機関へ確認・受診してください。
また、妊娠中やお腹の膨らみによって腹直筋が左右に開く「腹直筋離開」などが気になる場合も、自己判断で強い上体起こしなどを繰り返すのは避け、身体の状態を専門家に確認しながら慎重に進めることが大切です。
産後の身体づくりにおいては、 「動かせるかどうか」だけで判断するのではなく、「今、その負担をかける必要があるかどうか」 という視点も常に持っておきたいところです。
骨盤を整えるだけではなく「支える力」まで考える
前回の記事でも触れましたが、産後の身体を整えていくうえで、私は身体の一部分だけを切り取って考えないことが非常に大切だと考えています。
例えば、
- 「骨盤だけにアプローチする」
- 「腹筋だけをひたすら鍛える」
- 「インナーマッスルだけをやれば解決する」
といった極端な見方です。
人間の身体は、それぞれの部位が独立して働いているわけではありません。
- 骨盤周りの安定感
- 深い呼吸のしやすさ
- 股関節のスムーズな動き
- お尻や太ももの筋肉のしなやかさ
- 身体を深い部分で支える体幹の働き
- 日常の抱っこの仕方や立ち方の癖
これらが互いに影響し合い、連携しながら、日々のひとつひとつの動作を作っています。
だからこそ、当院では「骨盤周りのバランスを整えること」と「その整った身体を日常の中でしっかり支えられるようにしていくこと」を、切り離さずにセットで考えていくことを提案しています。
排的な考えでどれか一つのやり方を正解にするのではなく、今のお一人おひとりの身体の状態に合った適切な入口を見つけ、無理のない段階を踏んで進めていくことが何より大切です。
まとめ|「早く始める」より「今の身体に合わせて始める」
「産後のインナーマッスルはいつから鍛えればいいですか?」
この問いに対して、「産後〇ヶ月からです」と、すべてのお母さんに共通する一つの数字を当てはめることはできません。
- 出産直後は、まず何よりも身体の回復を優先する
- 痛みが落ち着いたら、呼吸や身体の使い方など内側の感覚に目を向けてみる
- 身体の状態を確認しながら、無理のない範囲で少しずつ動作や負荷を増やしていく
「回復する → 感じる → 少しずつ動かす」
焦ってこの順番を飛び越える必要はありません。
最後になりますが、美翔接骨院は8月11日(火・祝)から16日(日)まで夏季休業をいただいております。
お盆期間中は、普段よりもお子さんの抱っこや車での長距離移動が増える方も多いかと思います。 「お休みの間に無理して身体づくりを始めなきゃ」と新しく焦りや課題を増やす必要はありません。
まずは、お休み中にご自身の身体をしっかりと休ませてあげること。 それもまた、立派で大切な産後の身体ケアの一部です。
どうぞご家族との時間を楽しみながら、無理のない心穏やかなお盆休みをお過ごしください。
あとがき
お盆休みに入る朝。
体重計に乗ると、表示は60.9kgでした。

数字を確認して、いつものように「よし」と思ったのですが、今日はそこから新しくトレーニングの量を増やそうとは思いませんでした。
むしろ、長期のお休みに入るタイミングだからこそ、 「今日はどこまで攻めるか」ではなく、「今日は何をやらないでおくか」ということを考えています。
自分のコンディション管理を続けていると、調子が良い日はつい欲が出ます。
「もう少し追い込もうかな」 「もう少し絞りたいな」 「昨日しっかりできたから、今日も同じくらい負荷をかけよう」
ですが、身体の状態は人間誰しも毎日同じではありません。 しっかり動かせる日もあれば、一度立ち止まって休んだ方が結果としてプラスになる日もあります。 これは私自身、日々トレーニングやコンディション作りに向き合う中で、何度も実感してきたことです。
そして今回この記事を書きながら、これは産後の身体づくりにも全く同じことが言えるなと感じました。
早く始めた人が偉いわけでも、ハードな運動をたくさんこなした人が偉いわけでもありません。
- 「今の自分の身体に必要なことを適切に選べること」
- 「時には『今日はしっかり休む』という選択ができること」
それもまた、自分の身体と長く上手につき合っていくための大切な力なのだと思います。
せっかくのお盆休みです。 ご家族やお子さんのために動く時間だけで1日を埋め尽くさず、お母さんご自身にも「何もしないで休む時間」を少しだけ残してあげてくださいね。
関連記事
▶ なぜ産後にインナーマッスルが大切なの?骨盤を整えるだけで終わらない身体づくりのポイント
投稿者プロフィール

- 美翔接骨院 院長
国家資格『柔道整復師』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングプラクティショナー』
キネシオテーピング協会認定『キネシオテーピングトレーナー』
日本ストレッチング協会認定『ストレッチングトレーナー』
日本コアコンディショニング協会認定『ひめトレインストラクター』
内面美容医学財団公認『ファスティングカウンセラー』
内面美容医学財団公認『プロフェッショナルインストラクター』






